義肢装具コラム

「【スキー用義足編】スキー用の義足を製作してみました!」(義肢製作所の紹介情報含む)

「【スキー用義足編】スキー用の義足を製作してみました!」(義肢製作所の紹介情報含む)

「スキー用の義足を製作してみました」

お久しぶりです。Pandyです。今シーズンは、前シーズンに比べ積雪量も十分で、たっぷり義足でスキーを行ってきましたので、前回に続き義足でのスキーレポートをさせて頂きます。

さて、久しぶりのスキーの再開(⇒前回レポートは「日常用の義足でうまくスキー板を操作できるか?」)をしてから、今シーズンは、更にスキーを極めるため、私の「下腿義足にスキー用のコルセット」を装着してみました。

今回は、このコルセットの装着感や、装着にあたってのポイントなどを解説させて頂きます。下腿義足でのレポートになりますが義足ユーザのみなさんに、少しでもお役に立つ情報がありあましたら、幸いです。

「下腿義足のスキー用のコルセットとは?」

前回のコラムで発信したとおり(こちら)、一般的なピン式のライナーソケット(吸着式のライナーでないソケット)のみで、スキー滑走している際に、凸凹が多いなどの雪面状況が悪い場合や、滑走途中でスピードが出過ぎてしまった場合などに、ピンの装着部分を支点にして、義足が回旋してしまったり、フラついたりするなど、安定して滑ることが難しくなってしまうケースがあります。
この義足のフラ付き等を抑制するために、大腿部と下腿義足を繋く固定具を備えた大腿部用コルセットが、スキー用コルセットとなります。写真が取り付け後の下腿義足です。かなりガッチリ大腿部と下腿部が固定されるのが伝わるかと思います。

このスキー用コルセットを付けることで、膝が固定され回旋運動が不可となるため、上記の下腿義足の回旋やフラツキを大幅に減らすことできます。

「製作・使用してみた感想(良い点、良くない点)」

<良い点>

装着した当初は、膝の回旋自由が無くなったため拘束感がありましたが、数回滑るとすぐに慣れることが出来ました。そして、このコルセットを付けたことによって、義足のフラ付きがなくなり、スキー板の取り回しがかなり楽になりました。

雪面状況が悪くなってくると、義足側の足だけ飛ばれさてしまうことが多々あったのですが、これが無くなりました。義足側の足が飛ばされるといった不安が無くなったことで、積極的に攻めるスキーが出来るようになりました。
あと、おまけの効果として、このコルセットを付けたことで、義足を大腿部で支える力が加わり、リフトに乗った際の義足がスキー板の重さに引っ張られる感じが軽減して、リフトの乗降が苦痛ではなくなりました。

<良くない点>

このコルセットを装着すると生活用の義足として、使用が難しくなり、このコルセットを装着するための専用の義足が必要になることです。スキー場まで別に、この義足をもっていき、履き替えが必要となり、これが結構面倒なところです。
私の場合、義足だけを履き替えれば良いように、予めスキーブーツを履かせた状態にしておき、少しでも、この履き替えの面倒さを軽減させました。

「製作方法は?価格は?」

今回は、ゲイトアシストで製作を行いましたが、代表義肢装具士が、過去に同様のコルセットの製作経験があったため、比較的にスムーズに製作をしてもうらことができました。
価格は、すでに保有している義足があれば、その義足への固定装具の取り付け費用のみ(約80,000円)となりますが、取り付け用の義足が無い場合は、新たに義足製作が必要となります。
が、過去製作した義足で部品流用できる可能性もあるかと思いますがので、まずは、義肢装具士に相談してみるのが良いと思います。
価格や製品については、テクノエイド協会のHPにて関連情報が掲載されているようですので参考にしてみてください。(「下腿義足スキー用足継手」)


最後に

今回は、下腿義足のスキー専用のコルセットの製作と使用感についてレポートをさせて頂きました。次回は、この義足を履いて「スキー検定2級」を受験してきましたので、その際の感想等
をレポートできればと思います。最後まで読んでいただきありがとうございました。では、また次回お会いしましょう。



about author
Pandy; 右下腿義足ユーザ&G-ROOMライター&義肢製作所共同経営者
・やってきたこと:硬式野球、スノボ、MTB、登山 (←全部義足でやってきてます)
・これからやってみたいこと:バックカントリースキー、フリークライミング、スカイダイビング(←義足が外れないか心配)
以下バナー写真の義足はPandy;の幼少期時代の義足です。
(成長の記録ですねw)