「義足でスキーを始めるのに気を付けること」
Pandyです。私の場合は右下腿義足ですが、義足を履いたままスキー再開をした際に「せっかく購入した最新のスキーブーツに義足が入らずうまく履けなかった」、「レンタルしてスキーブーツが、何とか履けたけどリフトに乗った瞬間に義足が抜け落ちそうになる」と失敗経験をしました。これら失敗経験から、今回は下腿義足でスキーを始める際の「道具選びのポイント」、「スキーブーツの履き方のポイント」を簡単に紹介させて頂きます。
「道具選びのポイント」
まず、スキーをするには、義足にスキーブーツを履かせる必要性がありますが、過去記事で紹介させて頂いたとおり(コチラ)、現在、ブーツの前面部が開かない構造(2ピース構造)が主流となっており、ホールド感が強い分、義足で履くには、とても相性が悪く、とにかく履きにくいのです。
義足でも比較的に履き易いブーツとして、前回、紹介した『前面部が「バカッ」と開く構造(3ピース構造)のスキーブーツ』や、『リアエントリーブーツ』があります。
リアエントリーブーツは、写真のように、フロントシェルと、リアシェルに分かれており、ブーツを履く時に、リア部のシェルを大きく開放することが可能で、通常のスキーブーツと比較すると、足の出し入れが非常にしやすいのが特徴になります。ただ、こちらのリアエントリーブーツは、カービングスキーの普及に伴って現在、販売されてる種類が激減してしまっております。そのため、比較的新しいレンタルショップでは、これらブーツを借りることは難しいかもしれません。ただ、ありがたいことに、ここ最近、色々なメーカが再販を行ってくれているようですので、複数回スキーに行かれる予定であれば、思い切って購入してみるのも良いかもしれません。リアエントリーブーツでもあっても、バックル形式でないものについては、下図のように大きく開放できないものもありますので、ご注意ください。以下に、リアエントリーブーツ&バックル形式のものを紹介していますのでご参考ください。
あと大切なのが、スキー用ブーツをレンタルショップで借りる場合は、予め自身が義足だということをショップの方に伝えて、義足でも履けそうなブーツがあるかを事前に確認しておいた方が間違いないでしょう。履けるスキーブーツが無ければ、ここで嫌になって終わってしまいます。
(バックルを外すことでシェルが大きく開放)
リアエントリーブーツ
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スキーブーツを履くコツ
ポリ袋やナイロン袋、ストッキングなどを足部に被せて履く。これは、見た目とてもチープな感じですが(笑)、効果絶大でブーツと足部との摩擦が減ることによって、被せるのと被せて履かないのでは大違いで、義足での履き脱ぎがとても楽になります。ぜひ、試してほしいです。私も靴下が濡れてしまったりすると履けなくなったり脱げなくなったりすることが多々あったのですが、このポリ袋被せ技を覚えてからは、そのストレスから解消されました。
(足部にポリ袋を被せた義足)
「大切なこと」
こちらも前回紹介させて頂きましたが、ライナー式の義足でロックアダプターを使用している場合は、スキーブーツを履いた際にスキーブーツと義足のロックアダプターの干渉しないよいにすることが、やはり一番の注意点となります。
ロックアダプター式を採用していない場合についても、とにかく義足がスキー板とブーツの重みで外れてしまわないようにすることがとても重要です。
雪上にいる間は、体重が義足に掛かっており抜け落ちることはないですが、リフトに乗った際は、一気にスキー板の重量が義足に掛かってくるためそれに耐えられる懸垂力が無ければ、当然義足が外れてしまうと危険性を踏まえたうえで、リフトに乗りましょう。
雪上から義足側の足を上げて、義足が抜けそうにならいないをチェックすることがとても大切です。
リフトに乗った途端義足が外れてしまうといった光景に私は何度か遭遇しています。(私自身もスキーをはじめた際に、義足が外れそうになることを経験しています。)
リフトに乗った途端に義足が外れてしまうならまだしも、他人の頭上にスキー板と義足を落としてしまうようなことがあると大事故につながる可能性があるため、本当に注意したいところです。ロックボタン押下防止のためのロック部品(以下写真)を製作、提供してくれる義肢製作所「ステップフォワード」もあります。(前回紹介した部品よりも進化しています。)また、下腿義足の場合は義足にコルセットを付けることは、この落下防止につながるので、心配な方は検討してみても良いのではないかと思います。