【長く歩くために】義足ユーザーの健足と靴について!
こんにちは!義肢装具士のフクです。
前回は「義足と相性の良い靴を選ぶ5つのポイント」として、紹介させていただきました。
しかし、残念ながら健側(義足でない側の足)にとってこれらのポイントは必ずしも良い靴の条件とは限りません…
ということで、今回は、「義足ユーザーの健側と靴」についてお話していこうと思います!
前回のポイントが健側に合わないメカニズム
それではまず、前回の義足と相性の良い靴の条件を振り返ってみましょう!
・「差高がない(少ない)靴」
・「インソールが平らな靴」
・「開きの大きい靴」
・「しっかりと固定できる靴」
・「自分に適切な重さの靴」
義足ユーザーの方にはこれらの点でお選びいただきたいのですが、
・「差高がない(少ない)靴」
・「インソールが平らな靴」
こちらの2点について、健側で履く際には注意が必要です。
「差高がない(少ない)靴」
まず、この条件を満たす靴は、靴底が柔らかく、シャンクがしっかりしていない場合が多いです。引用図:(株)スタジオタッククリエイティブ 「紳士靴の教科書」より
シャンクがしっかりしていないと、歩行中に地面を蹴るときなどに、足のアーチが崩れる方向に力がかかり、足の負担が増えてしまいます。
「インソールが平らな靴」
インソールが平らだと、足のアーチが開く方向に力がかかるのでこちらも負担がかかってしまいます。
どちらも、足のアーチに負担をかけてしまうリスクになっています。
アーチが崩れると、「扁平足」「外反母趾」「胼胝(たこ)」のような足のトラブルに繋がってしまい、運動不足を招き、健康寿命にも関わってきます。
対策
そして、これらのリスクは、健側の靴のみにインソールを使用することで補うことができます。
インソールの中でも、シャンクとして芯の部分がプラスチックなどの硬さがあるモデルが推奨されます。
柔らかいクッション素材で全体的に曲がってしまうインソールではシャンクとして支えることができないため注意が必要です。
引用図:シダス ウォーク3D(WALK 3D)
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まとめ
ということで、義足と相性の良い靴は、足のアーチに負担のかかる条件が含まれています。
それらを補うためにしっかりとしたインソールを併用しましょう。
靴を選ぶ際にインソールを取り外せる、「コンバースのALLSTAR100」や、「バンズのTNT ADVANCED PROTOTYPE」などが条件に合うのではないかと思います。もちろん、足の甲がきつくならなければインソールが外せない靴でも問題ありません!
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最後に
今回は、案外蔑ろにされがちな健側の話でしたがいかがだったでしょうか?
少し費用はかかってしまいますが、普段、義足側を補うために負担のかかっている健側をケアして、長く快適な義足生活を送っていきましょう!
それでは、また!